下田沖根のポイントマップ

横根

横根は、神子元島を除くと下田沖磯群の中で最も大きい根でポイントも多く、田牛や手石港意外に須崎からも3隻ほどの渡船が出て横根或いは隣接する沖横根を目指すため、いつも混雑している磯である。狙える魚種も多種多様で、底物ではモロコ・石鯛・ワサ、上物ではヒラマサ・ワラサ・縞鯵・真鯛・平スズキ・メジナ・イサキ・タカベetcと、磯釣りの対象魚が全て出揃い、外道の寒鯛・青舞鯛も多い。最近の石鯛狙いでは、下り潮での表本場・稲荷下よりも上り潮での裏本場狙いの人が増えて釣果も出ている。当クラブメンバーも好んで裏本場を狙い、好釣果を上げている。裏本場はF~Jまで2名ずつ分かれて入ることが出来、上り潮も緩やかに突っかけるため釣り易い。釣果の型は遠投に分がある。イシガキ鯛の7㌔台が出たのも裏本場である。 下り潮④の場合 この潮が流れる場合の狙い場は稲荷下と呼ばれる釣り座Eとなる。但し一日のうちで長くこの潮が流れることは稀で、年に数回有るか無しである。大半は本来の下り潮①か②となり、稲荷下は左流れとなって仕掛けを止めにくくなる。上り潮から下り潮へと変化する時にこの潮が稲荷下に突っかけるので、この時のワンチャンスを逃さないようにすること。この潮が長く続くことは無く、下り潮が流れ来る向きが③⇒②と移行し、激流時は①の潮となる。澄んだ潮のときは根が確認出来、この根の右側がポイントとなる。 下り潮③の場合 Dの釣り座から狙ってみても面白い。砂利石に根が点在しているような海底状況で、この根の間をポイントとする。足元のハエ根に注意すること。大物を掛けてこのハエ根でバラシたのを見たことがある。またCの釣り座がこの潮の最良の狙い場所となる。この潮も下り潮④と同じで、真正面から突っかける潮時のワンチャンスを逃さないこと。 下り潮②の場合 本来の下り潮であり、最も長い時間この向きからの下り潮が差す。Bを釣り座とし多くの釣師が竿を並べて狙うこととなるが、少しでも潮の差す角度が変われば左または右側へと掛けが流され、唯一流芯に仕掛けを入れられた人のみが釣りになる。ポイント印を並べて描いてあるのは潮の角度により変化するからである。 下り潮①の場合 黒潮の影響を受けた激流となる場合の下り潮の角度であり、釣り座はA或いはBの右寄りが最良となる。 上り潮①の場合 裏本場のF~Iまでの広範囲の釣り座から狙えるが、遠投に分がある。水深はさほどなく、少しでも根の変化のあるところを狙うこと。上り潮の向きが②に近い場合はJの釣り座も面白い。



石取根

下田沖磯群の中では手石港より最も近い位置にあり、比較的大きく高い磯で釣人の収容力もある。多少の波でも釣りは可能であるが、石取根の周りには浅根が多いため波長の長いウネリになると波が大きく持ち上がり磯に駆け上がってくるため注意が必要。底物狙いは下り潮の場合は表本場で、上り潮の場合は裏本場を狙う。春の乗っ込み期は必然的に下り潮を狙うために表本場となり、数・型ともに揃い下田沖磯群の中では最も釣果の出ている釣場である。乗っ込み期を過ぎれば石鯛も広く回遊するために、裏本場でも数が出るようにな。当クラブメンバーも上り潮時は好んで裏本場を狙い、半日で3~4尾の釣果を上げている。表本場の釣座Bでは8名ほどが竿を並べることがあるが、理想は4名くらいであろう。船付けの⑧ポイントはモロコ場でもある。ハナレの釣座Aは2名が限度で表本場から狙う人とのおまつりに注意。ハナレ・表本場ともにトヨ根方向に点在する根と根の間を狙うことになり、水深は浅い。裏本場はG・Fともに1名、ナライカドも1名が理想であると思うのはポイントが限られるからである。 下り潮①の場合 前方に見えるトヨ根の左側から潮が差して来るので、ハナレ又は表本場の左側に釣り座を取り、①~⑤のポイントを狙う。春の乗っ込み期には遠投に分がある。この表本場の左側の釣り座は、ウネリがあるとハナレとのワンドに入った波が吹き上げられ、頭からシャワーを被ることになるので注意すること。またこの潮では裏本場Gから⑭のポイントを狙ってみても面白い。 下り潮②の場合 表本場Bの中央と一番右寄りに釣り座を構え、⑥~⑩のポイントを狙う。ここも遠投に分があり、この潮が強いと道糸は左へと引っ張られる。一番右よりから狙う場合で、下の船付けのテラスにモロコ師が入っている場合は、互いに道糸が擦れ合わないように注意のこと。表本場Bが混雑している場合は、Cの釣り座から⑨・⑩のポイントを狙っても良い。また凪の場合は小根から下り潮のケンミを狙える。田牛向かいのDの釣り座は、他に入る場所がない場合の釣り座で、足元のケンミを狙う。釣果の実績は少ない。 上り潮①の場合 裏本場を狙うこととなり、小根とその右の渡礁できない小さい根の間を上り潮がG及びFに突っかけるので、Gの釣り座からは⑭(当クラブメンバーが好釣果を上げている)を狙、Fの釣り座からは足元の⑫(私が好んで狙うポイント)かその先の⑬を狙い、ナライカドの船付けEの釣り座からは足元の壁際狙いで竿先を下げて構える。上り潮にの場合ナライカドのEとFの釣り座には最高の潮で、それぞれ足元の⑪と⑫を釣る。



平根

手石港を出て石取根に向かうと、更にその先の神子元島方向にいつも波を被っている瀬が平根であり、カモメはそのハナレである。超A級磯として誰もが渡礁を希望するが、比較的上がれる確率が高いのは波の立たない梅雨時で、それもベタ凪で満潮を過ぎて干潮になるまでの間に限られる。昔から石鯛が群れになって産卵する場所と言われ、私が知る限りの過去においては、半日で3㌔から6㌔の石鯛が48尾という釣果記録がある。6月後半から7月の七夕前後に爆釣がある。磯が低くて足場が悪い上、底根が荒く下り潮が激流となるため、よほどのベテランでないと釣り切ることは敵わない。下り潮が激流の場合は平根で4名、カモメで2名が理想的な人数となる。根が非常に複雑で潮が効くために、下田沖根では一番魚影が濃く、激流時は足元でイサキ・タカベが、またワサや三の字が下を向いて泳ぐ様が目視できる。 <平根本島> 下り潮①の場合 平根本来の下り潮であり、流れが比較的緩い場合は釣り座D~Fから⑨(擂鉢状になった本来のポイント)を狙う。下り潮②及び下り潮①の流れが緩い場合は最高のポイントとなる。下り潮①が強い場合は、Cの釣り座から⑦・⑧のポイントを狙うか、またはAの釣り座(俗称:チョンボリ)から足元の⑥のポイントを狙う。私はH26.8.21にCの釣り座から⑦を狙ってフエフキの6㌔と石鯛は4.28㌔を頭に5尾の釣果を上げており、Aの釣り座からの⑥狙いでは当クラブ前会長が石鯛の6.8㌔を頭に3尾の釣果を上げている。⑥は足元が抉れた海溝であり、ここは回遊より居付きの石鯛を狙う場所である。ために連日狙う場所ではない。  下り潮②の場合 Gの釣り座から⑩のポイントが狙える。或いはD~Fの釣り座から⑨のポイントを狙うと良い。最高に釣り易い潮流である。  上り潮①の場合 上り潮①の場合は、Bの釣り座(船付けであり、且つモロコ場)から⑤のポイントを狙ってみるのも面白い。当クラブメンバー他多数の人が良い目をしているが、モロコ師・上物師がいない場合に限られる。モロコ師・上物師が入っている場合は、Cの釣り座から⑦・⑧ポイントを狙えば良い。カモメとの間を上り潮が通すため可能性は高い。 <カモメ> 非常に低い磯であり、ベタ凪でそれも潮が満潮を過ぎて下げだしてからの渡礁で、干潮前後の3時間くらいしか狙えないため、年に数回しか渡礁できない。典型的な下り潮①での釣場であり、潮の強さによって足元近くの①ポイントと30㍍近く投げる②ポイント(最深部)を釣り分けること。根掛かりは少なく餌取りも極端に少ない。外道も少なくアタリがあれば本命である。過去に二人で狙って3時間の釣りで9尾の釣果を上げたことがある。竿をピトンごと吹っ飛ばされたことを何度も見聞きするのもこの磯である。下り潮の潮止まり寸前或いは上り潮の動き始めでは、③及び④も狙えるが、狙える時間は短い。


トヨ根

これはトヨ根の石鯛ポイントを神子元島方向から見た場合の断面図である。本来の「下り潮」は石廊崎の先端を掠めて、斜め右前方からトヨ根に突っ掛けるように流れて来る。よって潮が流れて来る流芯に向かって仕掛けを投入することとなる。但しトヨ根の陸側(弓ヶ浜寄り)の低くなっているところからは、石廊崎方向に向かって70㍍くらいまでの間は高根(図示)が伸びているため、この高根の上若しくは右側に投入すると下り潮が効いている時は根掛かりが激しく、または仕掛けが右側に吹っ飛ばされるように流され釣りにならない。 高根の左側に投入しても石廊崎方向からの下り潮が強い場合は、仕掛け・道糸が左方向(神子元島方向)へと押し流されるため多少釣り辛くはなるものの釣りにならないと言うことはない。この場合は、仕掛け着水と同時にリールのストッパーを入れて、竿先を右下に構えて道糸を早く沈めさせるようにし、それでも道糸が左に流されるようなら道糸を巻き取るようにして沈めること。 トヨ根の海底形状は大きく2段の落ち込みとなっており、1段目は足元直下から20~25㍍先(⑦~⑪のポイント)で、2段目は35㍍前後(①~⑥のポイント)となる。2段目の落ち込みの先は砂利石に根が点在しているものと想像される。60㍍以上遠投して、着底した仕掛けを引っ張ってくると、途中でゴツゴツと根に当たるがほとんど根掛かることもなく2段目の落ち込みで止まる。ここが最深部のポイントである。外道でエイが食ってくることからも砂地混じりであることを窺わせる。また落ち込みの下は岩が抉れていて、ここに魚が付いているのではなかろうか。 このポイントに置いた仕掛けを上げるのにリールを巻いていると、途中で「コツン」と根に掛かることが多い。この根が1段目の落ち込みの根肩である。根掛かっても強引に竿を煽らずに、逆に竿先を下げて根肩から仕掛けのオモリを転げ落として、再度ゆっくりと竿を上げることを繰り返せば9割方は外れてくれる。 下り潮が速いときは、私は根肩に道糸を預けて仕掛けが流されるのを防いでいる。魚が食ったときは根ズレで道糸が飛ばされると思われるかも知れないが、私はこれまで5㌔台の石鯛から10㌔以上の外道を含め相当数の魚とやり取りしているが、根ズレで道糸を飛ばされたことは一度もない。下り潮に押されて道糸が根に押し付けられたように止まっているだけで、魚が食って走ったときは逆に根から道糸が離れるのではないかと思っている。 2段目の落ち込み下の最深部のポイント(①~⑥)で餌盗りもいないようであれば、1段目の落ち込み下のポイント(⑦~⑪)を集中して狙うと良い。上っ潮の水温が高くても底っ潮の水温は極端に冷たい場合もあり、このような時は少しでも浅い1段目の落ち込みが有利となる。 トヨ根は非常に魚の濃い根である。トイ根(磯の形状が雨トイのように見えるからか?)と呼ぶ人もいるが、「豊根」の方がピッタリくる。大判の期待が高い磯(最近は釣れる石鯛も中・小型が多くなっているが・・・・)であり、外道(寒鯛・青舞鯛・エイ・鮫etc)も半端じゃなくデカイ。是非とも手返しを多くして、納竿時間までじっくりと狙って欲しい。そうすれば私にとっては期待を裏切らない磯となっている。風の向き及び強弱は、大瀬方向の山上に設置されている風力発電設備を見て判断できるので参考にされると良い。