田牛磯のポイントマップ

田牛大根

大根は、田牛の地磯周りでは下大根とともに代表的な磯であり最も収容力がある。手石港を出て、荒神の鼻を過ぎると須崎半島方向に大根を確認することが出来る。荒神の鼻と田牛港の間に位置し、田牛の港に近い。地に近い磯で、水深はさほどないが釣魚は大物のモロコから石鯛、真鯛、夜釣りのイサキと多様であり、小型の縞鯵が数釣れることもある。特にモロコは確率高い実績場となっている。典型的な上り潮で釣果の出る釣場となっており、そのため上り潮が多くなる秋口から冬にかけてが最高の釣期となる。下り潮時を狙っても、直接潮が当たるところがないため期待は出来ない。一見高い磯のように見えるが、本来のモロコ・石鯛釣座は裏の船付けから降りた右手の低い場所のため、東・南方向からのウネリがあるときは波が磯を越えるので注意が必要。南西のウネリの方が比較的安全である。但しE・Fは南西のウネリが這い上がるので、そのようなときはGからの狙いが無難である。ハナレは磯が低く少し波があって満ち潮に向かうとき或いは満潮時は渡礁を避けた方が良い。波がなくて引き潮になれば大根から飛び渡ることが出来る。比較的南西方向からの少しのウネリ程度であれば、先端Aの釣り座は波を被っていても、Cの釣り座からは狙える。但し膨れ上がった波が足元を洗うことがあるので、荷物を流されないように注意すること。

<大根> モロコ場のDに2名とE~Gまで各1名の理想的には5名ほどで並んで竿が出せる。Dはモロコの本命ポイントであるが、私は好んで入り実績を上げている。ハナレのCの釣座前に伸びる高根の左際からEの釣座前まで足元が海溝になっており、⑩のポイント(当クラブメンバーが68㎝の実績)を中心に⑪又は⑬~⑮を狙う。足元の海溝は根掛かりが激しい。Eの釣座は小高い岩があり、この上にピトンを打って足元の⑫と少し遠投の⑭・⑮を狙う。D及びEが波を被りそうならばFの釣座から遠投で⑭・⑯ポイントを狙うが根掛かりは多い。大根やハナレの沖向きは砂地に大小無数の根が点在しており、これにカジメ類が付いているので根掛かりは避けられない。  ウネリが大きくて波が膨れ上がるようならば更に一段高くなったGから遠投で⑯・⑰を狙うこと。

<ハナレ> ハナレはCの釣座狙いが最も釣果が上がっている。遠投の⑤~足元の⑨まで根が点在しており、この根の向こう側を狙う。私が最も狙うポイントは⑤・⑥であるが、足元のポイントで、身体を水面に映さないないようにしてコマセを打って良い目をしている人もいる。大根のモロコ場から伸びる高根が目で確認でき、仕掛けを入れることは出来るが根掛かりが激しくて、もし魚を掛けても獲れないから止めたほうが良い。Aの釣座はウネリがなくても満潮時は飛沫を被るし、ウネリがあると波が釣座を越える。引き潮になって安全を確認してから入ること。ポイントは竿2本先の③と、少し右手にある高根の左際②と少し遠投して大きな浅根の①を狙う。どちらかと言えば、足元に分がある。

 

下大根

下大根は、田牛の浜の左手の地磯の先に位置する磯で、サンドスキー場を通って歩いて行ける地磯「元根」の目と鼻の先にある。海底が見通せるほどの水深しかないが、なかなかどうして昔ながらの秋に強い石鯛狙いの大場所であり、上り潮時を狙う。最近では当クラブメンバーが下り潮のポイント見つけて釣果を上げているが、どちらかと言えば上り潮に分があるように思える。下り潮は速く流れることはなく緩やかな流れである。 磯の先端はハエ根があり、南西方向からのウネリがある場合は波が這い上がって反対側の船付けへと抜ける場合があるので、丁度背後から不意に波が来ることになるので注意が必要である。小根は大根の釣人と会話が出来るぐらいの近さで、船は元根の方に回り込んで下大根との水道側から船付けする。上り潮狙いの場合は干潮前後の渡礁となるため、船の舳先から根に這い上がることになるため、荷物の手渡しをしてくれる仲間が必要となる。小根の狙いは上り潮のみ。

<下大根> 小根側がワンドになっており、こちらから船付けする。小根から伸びるハエ根との間が少し深くなっている。先端のA釣座からC釣座まで並んで須崎半島方向に竿を構えるが、2~3名が理想で4名までが限度であろう。先行者がいる場合は小根に渡れば良い。Aの釣座は上・下りの両潮狙える。下り潮の場合は沖向きに竿を構えて遠投で①・②を狙う。上り潮の場合は遠投して③~⑥と近場の⑦を狙う。B及びCの釣座も上り潮狙いで遠投して④・⑥ポイントを狙い、近場のポイントとしては小根から伸びるハエ根の向こう側の窪みとなる⑧・⑨を狙う。この⑧・⑨が昔からの本命ポイントである。遠投ポイントも近場も底根が荒いため根掛かりは激しい方である。Cの釣座からはモロコも狙え、小根のハエ根との間の深みに仕掛けを入れる。過去に30㌔台も出ている。

<小根> 完璧な上り潮狙いの磯であり、下り潮はこれまた完璧に釣果は期待できない。小根の磯際が若干深くなっている。Dの釣座では、釣座足元から下大根と平行して伸びるハエ根左側の⑩ポイントを集中して攻める。投げ過ぎると下大根の釣人とオマツリしてしまうので注意のこと。また、この釣座からは須崎半島方向に遠投して⑫~⑭ポイントを狙える。私はここに上がった時は二本竿で両方のポイントを狙っている。釣座Eからは少し水深のある足元近くの⑪ポイントを狙うか、または⑬・⑭を狙う。⑪ポイントは地磯の元根からも遠投で届く距離である。

 

硯根・松根

田牛港より最も近い釣場が硯根で、次いで松根となる。特に硯根は田牛港沖堤防のテトラより遠投すれば届く距離にある。スズリ根・松根ともに水深がなく(最深部でも5~7㍍くらい)、砂地に浅根が点在している状態でポイントが絞りにくく、荒磯の雰囲気はなくて期待感に欠けるが魚は出る。硯根・松根ともに一見上り潮狙いの磯のように見えるが、大根の裏の水道を抜けた下り潮が通すため両潮狙える。どちらかと言えば硯根は上り潮、松根は下り潮に分があるように思える。南西のウネリが入っている時は大根及び大根周りの沈み根で波が遮られて比較的釣りは可能であるが、南東・東からのウネリは駄目で、北東の強風時は辛い釣りとなる。松根は釣座の後ろが高くなっているので、暇なときに上に登ってみると松根の前方から硯根の前方にかけて広い浅根が続いているのが確認出来る。

<スズリ根> 船付けの右手に、沖に向かって岩が突き出しており、ここが釣座となる。この釣座から沖の方向を眺めると黒く見える場所があるが、これが浅根である。よって遠投狙いで上り潮に分がある。ほとんどが浅根の上に仕掛けを置くために根掛かりは多いが、辛抱強く投入を繰り返して石鯛の回遊を待つこと。上り潮で⑧~⑪ポイントを狙い、下り潮では⑫・⑬を狙う。近年では大判が少なくなったが、過去においては5㌔クラスが相当数上がっており馬鹿に出来ない。夏から晩秋にかけてが面白い。また、釣座足元の左手に沈み根があり、この際が少し深くなっていて、過去にここで30㌔台のモロコが上がっている。

<松根> 松根は各磯に釣人が多い場合や南西のウネリがある場合の逃げ場として面白い。下り潮で比較的確率が高いのは①のポイントである。目の前に頭を出している根の右肩下に僅かにある窪みを狙う。この根際に魚が付いているようである。下り潮が速いとき及びウネリがあるときは根掛かりが激しい。この①でアタリが出ない場合は②の溝(根掛かり多し)か、遠投して③~⑥を狙う。上り潮の場合は、遠投して⑦を狙う。上・下り潮ともに遠投の場合は根掛かりが激しくなるが、粘り強く打ち返しを続けること。この松根も夏から晩秋にかけて釣果の出る磯である。いずれにしても、水深があり激流となる沖磯に慣れた人には釣趣に欠けると思うかも知れない。